寺社幕
弊社製造の神社仏閣幕は、耐久性に優れる反応性染料染で製造しています。この製法は、基本的に綿や麻などの植物性天然繊維の染色で、広く業界に使用されている手法です。
縫製の強度面では、破けやすい箇所に生地端を巻く、麻紐を入れる等の強度に優れた縫製(例:チチと呼ばれる幕紐を通すためのループの付け根部分を加工等)に心がけております。
縫製の見映えに関しても、ミシン使用での和裁仕立てをモットーとしており、当然切りっ放しの縫い代がそのまま見えるような見映えの悪い縫製はしておりません。
末永く使用していただけるように取り扱い説明書も納品時にお渡ししていますので、ご安心ください。
※ご予算や原材料、生地の規格の関係で、染色技法が洗濯やクリーニングに対応していない場合、上記の縫製(生地端を巻く、麻紐を入れる)がなされずに納品している場合もございます。
過去に弊社より直接納品したもので、取り扱いに関してご不明点がございましたら、納品書を持参の上、ご来社くださいませ。
諸般の事情(納品時がかなり以前で使用材料が不明等)によりお応えできない場合もございますので、予めご理解ください。
※絹、化繊製品の場合は、使用する染料(酸性染料、分散染料など)が綿製品の取り扱い方法と異なりますので、ご確認ください。
製造工程の一例
製版
データ作成で作ったアウトラインデータを元にプロッターで型紙をカットし、型枠に貼ります。
型糊置き
製版工程で完成した型を利用して防染糊を置きます。糊が置かれた部分が、最終的に白で染め上がります。
調色
お預かりしている見本を参考にして粉末染料の配合をし、染料(液体)を作ります。一度作った染液は、調整ができません。イメージと違った色になった場合は、最初からやり直しとなってしまいますので、かなりの時間をかけます。過去に作成したカラーサンプルが調色のための財産と言っても過言ではありません。
染色(引き染)
刷毛を利用し生地に染料を引きます。時間をかけすぎるとムラになるので、手早くきれいにリズミカルに引いていきます。染物屋らしいダイナミックな工程で、見応えがあると思います。
色止め・水元・乾燥
染色後、生地全体に溶剤を、刷毛を使用して塗ります。所定の時間放置すると、化学反応で染まり、そのあと不純物や余剰染料を除去するために水元工程にて洗います。
縫製
仕上がり寸法になるように裁断し、生地端を縫い、チチを取り付けて仕上げアイロンをかけて完成です。
お見積りに関して
お見積りの際は、お知らせいただく必要事項がございます。ご準備した上でご連絡いただきますと円滑なご対応ができると思います。
必要事項
- 寸法(高さ×横幅)
- 紋(どんな家紋であるか、家紋名やわからない場合は家紋写真をメール添付して弊社メールアドレス宛に送信してください)
- 紋数 幕に入れる予定の紋の数
- 文字数 年号、寄進者、奉納、等の文字の総数
- 色 紫地に白抜き、白地に黒文字など詳細にお伝えください。
※指定見本色がある場合は、できる限り近い色に調色しますので、色サンプルを製作の際に送って頂くことになります。指定見本色がある場合は、お見積り時にそのようにお伝えくださいませ。 - 仕立て仕様
幕上にあるチチと呼ばれる幕紐(ロープ)を通すための輪の配置や数は、ご指定がない場合、弊社既定の間隔、数量でのお見積りとなります。 - 付属品の有無
揚巻房が必要な場合は具体的にお伝えください。色のみの指定の場合、寸法に関しては幕寸法に適した、弊社既定の寸法のものをご用意します。
幕紐が必要の場合は、具体的にお知らせください。例)白と紫、白と黒と青の3色など - 生地のご希望
綿、麻、絹、化繊などをお知らせください。綿の場合60ブロード、麻の場合は広幅生地(約95センチ)、絹は正絹羽二重、化繊はポリエステル縮緬となります。ご希望があればサンプルを送付いたします。その際は、お手数をおかけしますが弊社に切手の貼付した返信用封筒を郵送ください。
注意事項
仕上がり寸法は、生地の伸縮や、手仕事での製作であるため、多少の誤差が生じます。加えて、色指定の場合、できる限り指定色に近づけるよう最善を尽くしておりますが、気候条件や染料の廃盤等の理由で、多少の色調差や濃淡が生じます。予めご理解ください。